別名「カエデ」と呼ばれ、一般的には「もみじ」として知られる落葉高木。そのほとんどが北半球に分布しており、その種類は世界で数百種にも及ぶといわれています。高さは30メートルを超えるものもあり、木肌は白っぽく、薄い赤褐色の木目を持っています。
組織が密なためキラキラとした光沢があり、明るい雰囲気で人気の高い樹種です。その見た目の美しさから、古くから家具などに使われてきたほか、高級車の車内パネルやギターのボディートップ材をはじめ、装飾としても幅広く使われています。また、硬く弾力性があることから、強力な衝撃への耐性が求められるボウリングのレーンやピンなどにも使われ、最近ではバットの素材としても注目されている木材です。
時とともに無垢の木はその色合いが変化していきます。時を重ねるほどに増していく艶や美しい表情をお楽しみください。
木は自然の営みから生まれた天然資源です。そのため木目や色合いが一つ一つ違い、塗装の色合いや質感などに差が出ることがあります。表情の豊かな木の特徴としてお楽しみください。
濃淡
淡かったり、赤みがかっていたり、木の色合いは同じものが二つとありません。木が心材化(※)すると木に含まれる成分が変化して色が濃くなりますが、その色合いは個々の木で千差万別。板状につなぐと、目に心地よい自然な濃淡のコントラストが生まれます。
※心材化…生きた細胞が死んで堅くなり、湿気に強くなること。
入り皮(いりかわ)
木が成長する間には、台風が来たり鳥につつかれたりと、何かの原因で樹皮が傷つくこともあります。その場合は、樹皮のすぐ下にある形成層(※)が、傷ついた樹皮を取り込んで修復しながら成長を続けます。これが「入り皮」。木の強い生命力の証です。
※形成層…春から秋にかけて細胞分裂を行い、樹幹を大きくする組織
節(ふし)
木の成長過程において枝の付け根部分が幹に包み込まれることで発生したものです。
節かげ・交走木理(こうそうもくり)
節の周りの組織であり、柾目の場合、木目と直行方向に筋が入ったように見えるものです。